二つの自民党 2007 9 17
自民党というビジネスモデルは、破綻していると思います。
(下の「よくわかる政治 2004 7 7」を参照)
先の衆議院選挙では、大勝しましたが、
これは、経営が傾きつつある企業が、
たまたま大ヒット商品(小泉政治)が出て、
何とか、経営的に一息つく余裕ができたという状態でしょう。
しかし、経営的に傾きつつあるという現実は変わりありませんから、
いつまでも過去の成功体験にしがみつくことなく、
企業(政党)としての生き残りを考えていく必要があります。
「お上が決めたから国民は従え」というビジネスモデルは、もう古いのです。
今後は、消費者(有権者)のニーズをどう考えていくかが重要になってくるでしょう。
しかし、大衆迎合的な政治では、国が破綻します。
消費者に対して提案型の商品、
つまり有権者に提案型の政策という手法を考えるべきでしょう。
政治評論というと、政治評論家の専門かもしれませんが、
経営学的な視点で、政治を分析する評論も必要だと思います。
今のところ、私が思いつく「自民党の経営方法」とは、何か。
「都市自民党」と「地方・農村自民党」に分社化(分党)する。
(都市の有権者のニーズと地方・農村の有権者のニーズは、大きく違うからです)
そして、都市自民党と地方自民党で政策協定を結ぶ。
あるいは、都市自民党と地方自民党の上に、持ち株会社のようなものを作る。
これに対して、多くの自民党議員は、
「我々、自民党は、政策のデパートである」と言うかもしれません。
しかし、実社会では、そのデパートの経営が厳しく、生き残りをかけて、
今までなら考えられなかった企業統合などを考えている現状を知っているでしょうか。
いずれにせよ、党を解体するような気持ちで、
党改革を推進しなければ、21世紀に生き残るのは難しいと言えるでしょう。
当面、生き残るには、沈み行く船から、一生懸命、水をくみ出すことは必要でしょうが、
それでは、やがて疲れ果ててしまい、船と一緒に沈んでしまいます。
新しい船を作りましょう。
よくわかる政治 politics 2004 7 7
株式市場の一部には、政治を読み違えている人がいますので、
ここで、政治の勉強をしましょう。
基本的に、小泉改革を推進すればするほど、自民党や支援団体は弱体化します。
小泉改革は、よく言えば、自助努力、悪く言えば、弱肉強食です。
しかし、この「弱」の部分が問題なのです。
この「弱」の部分とは、
農村や、公共事業で食べている地域、
規制によって守られている業界、
補助金で生きている業界です。
これらの業界は、小泉改革の対象です。
同時に、自民党の支援団体です。
だから、小泉改革を推進すればするほど、自民党は弱体化します。
これ以上、改革を推進すると、本当に、自民党は壊れてしまいます。
社会党
もう多くの人は忘れてしまったでしょうが、
今から20年近く前、社会党という大政党があったのです。
それは、自民党に対抗できるほどの大きさだったと言えるかもしれません。
しかし、その社会党にも、衰退の兆しがあったのです。
組織票である労働組合が、弱体化しつつあったのです。
それでも、今から20年近く前、
無党派層の支持を取り込んで、最後の一花を咲かせたのです。
さて、現代の日本。
こうした「社会党」という教訓を活用できているでしょうか。
なぜ歴史は繰り返すのか。
人間は反省しないと同じ過ちを犯す。
その人間が歴史を作っているから、歴史は繰り返すことになる。